「富に至る道」より
ベンジャミン・フランクリン著
身を美しい着物で飾ろうとしたばかりに、たえずひもじい思いに苦しみ、
その上、妻子を飢えにまで追いやった者が、昔から少なくありません。
貧しいリチャードも申すように、「絹としゅす、もみとビロード、台所の
火を絶やす」なのです。
こうした絹とかそういったものは、生活の必需品ではありません。
いえ、重宝なものとさえ、まず申せません。
それですのに、見栄がいいという、ただそれだけの理由で、なんと多くの
人たちが欲しがることでしょう。
こうして人間の不自然な欲求が、自然の欲求を上回って行くのです。
あるいは皆さんは、茶やポンスを少しばかり飲んだり、少しばかり金の
かかるものを食べたり、少しばかりきれいな着物をきたり、少しばかり
ましな遊びを楽しんだりしても、それがたまさかのことだったら、そう大した
ことでもあるまいと、お考えになるかもしれません。
しかし、貧しいリチャードの次の言葉をお忘れにならぬように・・・
「わずかな出銭に気をつけよ。小さな漏れ口が大きな船を沈める」・・・
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