2010年2月5日金曜日

カーネギー自伝

「カーネギー自伝」より
中央公論社 坂西志保訳

思いやりのある行為はけっしてむだになるものではない。
今日でも私はすっかり忘れてしまっていたことを
思い出させてくれる人にたびたび会うのであるが、
昔になにか私が小さなことをしてあげたというのである。
とくに、南北戦争の際、私は首都ワシントンにあって
政府の鉄道運輸と電気通信の事務を担当していた
ので、多くの人に接する機会があった。
負傷したり、病気になった息子の許に行きたいという
父親もあれば、前線で倒れた息子の遺体を故郷に
持ち帰る人などである。
私はできるだけの便宜をはかってあげた。
わずかなことではあるが、後日、いろいろの人が
いろいろのところで私にとてもよくしてくれたのを
私は心から嬉しく思った。

若い人たちに私がいいたいことは、
終生の仕事ときめた事業に時と注意を全部つぎ込む
だけでなく、自分の資本の最後のドルまでつぎ込みなさい、
ということである。
私自身は若い時代にこの決意をした。
鉄鋼の生産に全力を集中し、その道の達人になろう、
ときめたのであった。

1 件のコメント:

  1. 素晴らしい!わたくしも全力を集中しよう!

    ところでわたくしの「その道」って

    どの道? (*´―――――`)ン?

    返信削除